「すずめの戸締まり」公開初日、原菜乃華が松村北斗を「実写版草太さん」と絶賛

「すずめの戸締まり」の初日舞台挨拶の様子。

新海誠が原作・監督・脚本を務める劇場アニメ「すずめの戸締まり」の初日舞台挨拶が、本日11月11日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。

「すずめの戸締まり」は、日本各地の廃墟を舞台に、災いのもととなる“扉”を閉めていく17歳の少女・岩戸鈴芽の解放と成長を描く物語。本日公開初日を迎え、映画を観終えたばかりの観客を前に、岩戸鈴芽役の原菜乃華、宗像草太役の松村北斗、岩戸環役の深津絵里、岡部稔役の染谷将太、海部千果役の花瀬琴音、新海監督がステージへ姿を現した。

原は松村について「実写版草太さんだなと思っていて。お声はもちろんですが、上品な雰囲気や仕草、私に対しても敬語で丁寧に接してくださるところが草太さん。(取材などで)私が思っていることを言語化できなくて詰まったときにも、思いを汲み取ってフォローしてくださる。そういう聡明なところも草太さんと同じだなと思います」と絶賛。松村は「本当に言葉が上手な19歳」と照れながらも、原の演技について「カッコいいセリフの言い回しにキュンとしません?」と周りに向かって同意を求めながら、「悲しいけどカッコよさがあるというか、心えぐられる強さがある。そういう力のある方」と讃えた。

さらに劇中で椅子へと姿を変えてしまう草太について、松村は「予想を超えた時間、椅子でしたよね(笑)」と観客に笑いかけながら、「僕は原さんに『草太は椅子になってからのほうが人となりが見えた』と言われて、確かにそうだなと思いました。表情がなくなったほうが表情が見える……新海監督の作戦なのかなと(笑)」と新海監督へ投げかける。新海監督は「僕は草太を、非現実的なぐらい美しい男性として描きたかったんです。そんな男性が椅子になってかわいらしく動くのは、コミカルで物悲しくてワクワクするんじゃないかと。北斗くんに椅子をやってもらうのが大事なところでした」と草太のキャラクターについて明かした。

「すずめの戸締まり」でアニメ声優初挑戦となった深津は、すずめと幼い頃から2人で暮らす叔母・環を担当。「環は難しい役」と断言する新海監督は、深津をキャスティングした理由について「震災孤児のすずめを、環は自分の人生を犠牲にしながらも見守っている。それには嘘がない叫びを聞かせてくれないと成立しにくいと思って深津さんが思い浮かんだ」と明かす。一方の深津は「脚本などを見せていただいて、監督が次のところへ向かおうとされてるのかなというのをなんとなく受け取りまして。こんな経験のない私に、監督が何かやってほしいことがあるんだろうと思って、下手くそながらぶつかろうと思いました」とオファーを受けた理由を語る。

さらに深津は、共演した原に対して「私より何百倍も難しかった原さんが、作品の中のすずめのように収録現場でも目の前のことを立ち向かっていて。そばでその姿を見ていて本当に美しかった。原さんのような素晴らしい女優さんとお芝居できたことも、私の宝物」と語りかける。隣でその言葉を聞いていた原は涙をこらえながら「深津さんのお芝居を隣で見させていただいて、自分の中でも知らないようなすずめが出てきて、感謝しかないです」と声を震わせながらも、「深津さんが喉にいい蜂蜜をプレゼントしてくださって、毎日『深津さんにもらった蜂蜜だ』と思ってなめて気合を入れてました」と裏話も明かした。

そして環に片思いしている稔を演じた染谷は、印象深いシーンについて「後半で芹澤が運転して移動するシーンが好きで。いろんなことが起きて大変な中、何も起きない単なる移動っていう隙間みたいな時間が、ものすごく心地よかった」とコメント。また新海監督からアニメと実写の違いについて問われると、「僕にとって声のお仕事のほうがチャレンジ。自分だったら何ができるだろうと自問自答しながらやってます」と回答する。さらにアニメでの演技では、尺やタイミングが決まってるがゆえに、「逆にその尺の中だったらなんでもできるのがアニメなんだなと、今回やらせていただいて思いました」と新たな発見があったことも述べた。

最後の挨拶で原は「この作品は私自身、観客としても出演者の1人としても、大好きで宝物のような映画です。自信を持って、誰が観ても絶対に楽しんでもらえると言い切れる、そんな素晴らしい作品に出会えたことが誇りだなと思います」とコメント。そして劇中にも登場するすずめの「行ってきます。」という印象的なセリフで舞台挨拶を締めくくった。

「すずめの戸締まり」

公開中

スタッフ

原作・脚本・監督:新海誠
キャラクターデザイン:田中将賀
作画監督:土屋堅一
美術監督:丹治匠
製作:「すずめの戸締まり」製作委員会
制作プロデュース:STORY inc.
制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
配給:東宝

(c)2022 「すずめの戸締まり」製作委員会